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【市民リポート】◆ 信州国際音楽村すいせんまつり ◆

2022.06.01

市民リポーター 清水

 

◆ 信州国際音楽村すいせんまつり ◆
―草木染め体験、スイセンで染め上げるストール作り―

 

可憐で繊細なスイセンの花の草木染め体験―ワクワクしながら信州国際音楽村に出かけました。
上田地域に春を告げるイベントのひとつ「すいせんまつり」。

 

黄色のじゅうたん

 

会場の音楽村には職員の方々やシルバー人材センター職員の皆さんの丹精により、南側斜面に広がる3,000平米に約10万本のスイセンが咲いているそうで、この日は多くの方が摘みたての切り花や球根を買い求めに訪れていました。

摘んだばかりの切り花や球根

 

草木染め体験のスタートは13∶00から。

参加者の皆さん、スタッフの菅沼あき子さんと落ち合って、早速、すいせん畑で咲いたばかりの花をガクからすくうようにして摘みながら、染め付け作業を行う研修センターに向かいました。

道すがら、花や染め付けに用いる生地、媒染薬の違い等で色も変わると教えていただき、同じ花でも摘み取る時刻で発色に違いが出るそうです。日の出すぐ、まだ朝露の残る花を好む人もいるとのことで、とても面白いと感じました。

畑から摘み取るスタッフの方々

 

 

研修センターでは既にスタッフの翠川克栄さん、金井さち子さんのお二人が寸胴鍋に入れた大量のスイセンを朝から3時間程かけて煮出してくださっていました。それがどれ程「大量」かというと上田市の「燃やせるごみ指定袋 大」にギュウギュウに詰め込んでも溢れるほど。

寸胴鍋で煮出します

 

そして、煮出した液をろ過布で絞った染液、これはもうお世辞にも「きれい」とは言えず、スイセンのイメージからは遥かに遠い茶褐色。

煮出した花液をろ過します

 

さあ、気を取り直して染め付けにかかります。事前に用意してくださった何種類かの中から各自選んでおいた好みのストール地をぬるま湯につけ、軽く絞った後、例のスイセンの煮出し液に浸けていきます。この時、生地が空気をはらまないようにするのがコツ!

染め上がります

 

20分ほど花液に浸け置き→軽く絞って→媒染液へ浸す→水洗いして→再び20分時々混ぜながら花液に浸け置く→(この後、今回は特別にもう一度ダメ押しの意味で再び媒染液へ)→中性洗剤で洗い→充分にすすいだら乾かす
と、工程はこんな感じで、この日は酢酸アルミの粉末を溶いて媒染液としましたが、なんと、あの茶褐色の花液で染まった雑巾色の生地が、媒染液に入れた途端サッと綺麗なレモンイエローに変化したのは感動でした。素材がシルクのものは、乾いてくると実に柔らかなスイセンの花そのものの色が再現され、レーヨンだと若干渋めな印象の作品となりました。

 

風に当てて乾燥中

 

 

あ、そうそう発色について教えていただいたことでもう一点面白くもビックリしたことがありました。「咲いたばかりの花の方が色の出も良い。枯れる間際の花では色が着きにくく、この差はもう歴然」―成る程、う~ん、なるほど。
初めてのことで、今そこに咲く花を素材にして色々教えていただきながら自分だけのストール作りができる非常に楽しい実習でした。
朝早くから準備をして、丁寧に楽しく教えてくださったスタッフの菅沼あき子さん、翠川克栄さん、金井さち子さんのお三方をはじめとし、音楽村の職員の皆さん、このお祭りの運営に協力された地域の皆さん、関係スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

 

向かって右から 菅沼あき子さん、翠川克栄さん、金井さち子さん

 

眼下に千曲川がゆったりと流れ、視線を上げれば烏帽子岳から浅間山が見渡せる生田の丘陵に信州国際音楽村はあります。
その名の通り、室内外のコンサートホールや合宿等に利用可能な宿泊設備を併設した文化振興施設ですが、四季折々に咲く花々の名所でもあります。
車で簡単に行ける場所ですが、少し登るだけでこれほどにも空気感が違うのかと実感できます。緩やかな斜面に広がる芝生を転がる子ども、高い木立の下のベンチでスケッチをする人、解放的で気持ちが洗われる場所です。
この草木染めの日、私たちは誰かが練習するトロンボーンの音色を遠くに聴きながら実習しました。なんとものどかで心地良い、これはさすが音楽村ならではという時間を過ごすことができました。

 

一般財団法人 信州国際音楽村
〒386-0411 長野県上田市生田2937-1 TEL : 0268-42-3436 FAX :42-3948

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