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【市民リポート】 シトラスリボンコンサート ~TSUNAMIヴァイオリンと二胡の響~

2021.07.02

シトラスリボンコンサート ~TSUNAMIヴァイオリンと二胡の響~

感染から回復した人や地域の方へエールを送るコンサート

上田市民リポーターの村上です。
今回は6月12日(土)に丸子中央病院で行われたシトラスリボンコンサートを取材させていただきました。

 

シトラスリボンとは、新型コロナウイルス感染症の患者やその家族などへの差別や偏見をなくそうという取り組みである「シトラスリボンプロジェクト」のシンボルで、丸子中央病院はこの運動に賛同し、感染から回復した人や地域の皆さんに向けて、病院内で不定期にコンサートを開催しています。

コンサートの趣旨が書かれたチラシ

 

 

入口での検温や消毒など十分な感染症対策が行われており、会場のエントランスホールには招待者だけの席がソーシャルディスタンスで用意され、私の席もありました。病院関係者の皆さま、ありがとうございました。

 

 

いよいよコンサートがスタート

中澤きみ子さんと村上 藍さん

 

 

コンサートの最初は、ヴァイオリン演奏です。『愛の挨拶』(エルガー作曲)と『ツィゴイネルワイゼン』(サラサーテ作曲)から始まりました。

 

続いて、小学5年生の中村さんと中澤きみ子さんのヴァイオリン演奏で『ホーム・スイート・ホーム』と『ネコふんじゃった』です。演奏の途中でネコの鳴き声を入れて、会場の笑いを誘っていました。

 

小学5年生の中村さんと中澤きみ子さん

 

 

二胡の登場です。演奏者の武 楽群さんは、僕と同じ66才。新型コロナワクチン接種は、まだ済んでいませんと話されていました。

武 楽群さんと村上 藍さん

 

 

最初に「ニーハオ」とあいさつをされ、日本に34年も住んでいらっしゃると流暢な日本語で自己紹介されていました。最初のあいさつはてっきり彼のジョークだと思っていましたら、本当に中国の方だと後で関係者の方からお聞きしました。
『豫北叙事曲』(劉 文金作曲)を演奏された後、丸山貴子さんと一緒に『見上げてごらん夜の星を』と『故郷』の演奏がありました。

丸山貴子さんと武 楽群(ぶ・らくぐん)さん(伴奏:村上 藍さん)

 

 

最後に武さんが『賽馬』(黄 海懐作曲)を演奏されました。二胡の演奏には、ヴァイオリンのピチカート奏法のようなものもあるのですね。
これでプログラムは終了でしたが、アンコール曲として『花は咲く』をヴァイオリン&二胡&ピアノで演奏してくださいました。

中澤きみ子さんと武 楽群さん(伴奏:村上 藍さん)

 

 

病院のエントランスホールで人数を制限してのコンサートでしたが、家庭的な雰囲気を醸し出した温かい気持ちになれるコンサートでした。

 

下の写真が今日の出演者の皆様です。

左から、中澤きみ子さん、中村さん、丸山貴子さん、村上 藍さん、武 楽群さん

 

 

震災を語り継ぐヴァイオリン

 

コンサートの途中で、中澤きみ子さんの夫で今日のコンサートの開催に協力した中澤宗幸さんが、「TSUNAMIヴァイオリン」の話をされました。
今日の演奏で中澤きみ子さんが使ったヴァイオリンは、東日本大震災で発生した津波の流木と陸前高田の「奇跡の一本松」の木片を用いて作られたものとのことでした。

奇跡の一本松の材木を見せてくださった中澤宗幸さん

 

震災から10年が過ぎましたが、そのときの流木と奇跡の一本松から作られたヴァイオリンが、これからも人々の心を癒す役割を果たしてくれることでしょう。

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