【市民リポート】小さな古民家から上田を元気に！パワフル店主さんの飽くなき挑戦
市民リポーター 酒井 さやか
【市民リポート】小さな古民家から上田を元気に！パワフル店主さんの飽くなき挑戦
2024年明けましておめでとうございます。…年末年始は仕事で埋まり、紅白歌合戦も箱根駅伝もダイジェストを観るのが精一杯だったメンタルナース酒井です。（休みだったとしても特に何をするわけでもないのですが…笑）
今回は私のお気に入り、上田駅前「甘味処雪屋Conco(ゆきやこんこ)」のご紹介。店主の徳武さんとのインタビューを交えたリポートをお送りします！
４〜９月はかき氷目当てのお客さんが行列を作るので有名なこちらのお店ですが、今のシーズンもお勧めメニューがたくさん！早速お邪魔しま〜す。
白いのれんをくぐり、目に留まったのは頭上と足元の個性的なピクトさん。
↑築80年余りの古民家だけあり、レトロな造りが垣間見える。背の高い方は頭に気をつけて。
朗らかな笑顔で出迎えてくださった徳武さん。早速お店の中でお話を伺いました。
甘味処 雪屋Conco 店主 徳武 庄太郎さん プロフィール
長野県辰野町出身。ホテル勤務をはじめ、事業経営・拡大に関する業務を全国を転勤しながら経験。子供たちが社会人になったことを機に、「自分の好きなことをしよう」と決意。上田駅前天神通り（旧ニューパール通り）の古民家を市の助成金でリノベーションし、 2018年６月に甘味処 雪屋Concoをオープン。「売ること」・「周りの人を引っ張っていく」ことには自信がある61歳。
前職のスキルを生かし、無償で営業相談も受付中。
お店の前でパチリ。「千客万来」の前掛けがお似合いです。
−上田で甘味処を始めたきっかけは？
徳武さん：ホテル関係の仕事で全国を回っていると、自然と駅周辺の情報に詳しくなるんです。新幹線停車駅でありながら、上田は駅前通り（天神商店街）がとても寂しく、人通りも少ないことを残念に感じていました。その頃は仕事が楽しかった反面、家のことや自分の好きなことが出来なかったんです。４人の子どもたちが社会人になったのを機に「自分が1人ででも出来ることはないか」「人が集まるところを作りたい」という思いが出店に繋がりました。
−かわいらしい店名の由来は？
徳武さん：「かき氷を中心としたお店をやりたい」と話したら妻が考案してくれました。表記を「Konko」ではなくあえて「Conco」にしたのは、このお店が「C」に関わる場所（コミュニケーション・サークル・クールなど）であるようにと、「C」の丸くやさしいイメージを取り入れたかったんですね。
ただ、真面目なお客様や銀行さんに「書き方間違ってるよ」と度々ご指摘をいただくこともあります。その都度補足をするのが大変です（笑）
− 地元の上田にちなんだメニューはありますか？
徳武さん：真田家ゆかりの地である事から、六文銭をお付けしたお料理を5品『新パフェ真田丸・六文銭ウインナーコーヒー・スフレ真田丸パンケーキ・しろうさぎ真田丸（かき氷）・カスタード真田熊丸（かき氷）』を用意しています。六文銭のマークに何が使われているかは…頼んでからのお楽しみ！
− 看板商品である「かき氷」についてのこだわりを教えてください。
徳武さん：ミネラル豊富で純度が高い『信州純氷 上高地』という柔らかい氷を使用しています。北アルプスの天然水を時間を掛けて凍らせ、衛生管理も安心な美味しい氷です。
また、氷を削り出す『削り刃』「鉋(かんな)の刃のように超鋭い物」もこだわって選んでいます。刃の使用は年間20本程度くらい？…結構な稼働率ですね。
キャラクターのかき氷はうさぎ・くまの２種類。↑白うさぎの「白もこんこ」900円。
耳にはベビーせんべい、目鼻は麦チョコ、尻尾はマシュマロと、馴染みのあるお菓子で表現されている。ピンクのほっぺには四国の祝菓子である「おいり」を使用。
※職人在中時のみ注文可。
秋・冬の時期はとろとろパンケーキ、芋/栗あんみつ、チーズ焼などの軽食のほか、皮をパンズに見立て、ポテトサラダなどの惣菜類をサンドしたたい焼き（考案者は息子さん）
もギャップ受けしているとか。
徳武さん：「こんなの作って欲しい！」「旅先で食べた味をここで再現できないか？」など、周囲が持ち込んでくるアイディアやリクエストはとても貴重。宝物のような存在だと思っています。男性のお客様も最近は増えているので…「何でもどんどん言ってください。待ってます。」（切実）
筆者の酒井は何度かプライベートで来店しているのですが、その時から気になっていたことがあり、今回の取材を機に掘り下げてみました。雪と氷だけに…❤︎
酒井：なぜ甘味処に駄菓子屋や手作り雑貨のコーナーが設置されているのでしょうか？
徳武さん：駄菓子は、子ども大人共に楽しめる環境を作りたかったからです。小さいお子さんにとっては、お金の計算や買い物の練習の場にもなっていますね。
手作り雑貨は、「上田市で頑張っている人や、作家さんの公表の場を提供したい」という思いで店の入り口に無償スペースを貸し出しています。スペースが空き次第、主にSNSで募集をかけると１〜２日で枠は埋まります。コロナ禍の時は多くの作家さんが布マスクを作成し販売していました。一緒にSNSのQRコードを設置することで、より作品や作家さんのことを知ってもらえるようにしています。
酒井：令和の情報発信の要はやっぱりSNSですもんね。
徳武さん：そうそう。直接ホームページから検索するよりも、「写真を見た」とInstagram・Facebook・Xから入る人が多い。そういうリアルタイムの発信力には驚きます。
↑「たまに孫乗せてます」
ありそうでなかった、この文言のステッカー。1枚1200円〜
製作した作家さんは、店内の壁デザインも手掛けている。
↑駄菓子はなんと全て10円！
右に置かれたノートにはお店の感想などを自由に書き込める。
酒井：あれ、このコーナーにはハチミツも売ってるんですか？
徳武さん：「はけた養蜂場」のハチミツですね。今はお孫さんが後継者となっています。当店の紅茶につけて提供していますが、「雑味がなく紅茶の味を邪魔しない」と好評です。他にも、地元の農家さんから提供された「そのままでは規格外」のシャインマスカットなどをかき氷やパフェに使用し、PRにも力を入れています。
− 新しい物好きで、なおかつ「古き良きものを受け継ぐ、若い人達を応援したいんです」と語る徳武さん。最後にこれからの展望をお聞きしました。
徳武さん：元々かき氷をメインで始めたのもありますが、それをお店の中ではなく「通販」で提供したいと動き始めています。「氷＋氷を削る道具＋シロップ類」をギフトセットにするイメージです。来年での実現を目指していますよ。
市民リポーター酒井に昼が来た！
酒井：個人的に、「ソフト麺」を使った昔懐かしいメニューが気になっています…。
徳武さん：信州をはじめ各地で、昔は『学校給食の人気メニュー上位に ソフト麵』が挙がっていましたが、最近は「米飯給食推進」のため、ほとんど無くなっているそうです。
「昔の学校給食を思い出して頂くため」に『ソフト麵』をアレンジメニュー化してご提供しています。懐かしさを求めてこられる方も多いですね。
酒井もまさにその一人・・・ということで取材後いざ、実食！！
ここでは丸く細長いタイプのものが提供されている。
ひとくちにソフト麺と言っても地域・年代によって差があるようだ。
↑懐かしさ炸裂の給食ミートソースうどん600円（ポテトサラダ付き）
カレーうどんも好評発売中。
ひとくち含むと、「そうそう、コレだよこれこれ」なモチモチ食感。
学校給食で使われていた食器は、麺量に対して小さく…半分ずつ麺を入れないと「お茶碗からソースが溢れ事件」が頻発していた思い出が蘇りました。「ソースが服に飛んだら心配…」という方にはお食事用エプロンのご用意もあります！酒井はエプロンのおかげで、心置きなく懐かしの味を楽しむことができました（笑）
甘味処でありながら、店主さんの「上田の街を元気にしたい」という熱意と「そこに住む人たちを応援したい」というサポート力をひしひしと感じるスポットでした。「子供の頃は当たり前でも、大人になってしまうと無くなってしまうもの」をもう一度思い出させてもらえる気がします。一人席もありふらっと入っても落ち着いて過ごせる懐かしい空間で、甘味に舌鼓を打ちながら、昔の思い出に浸ってみてはいかが？
甘味処 雪屋Conco 店舗情報
上田市天神１丁目３−３ 上田駅から徒歩３分
上田城跡公園より徒歩15分、アリオ上田からも徒歩5分。
Mail：yukiyaconco3860025@gmail.com
電話：090-8843-8898（番号通知の無い問い合わせは不可）
注意：返信等には時間がかかる場合あり。
営業時間11:00 ～ 19:00
定休日：３月〜９月 毎週火曜日・第２第４水曜日
１０月〜２月 毎週火・水曜日
※店内禁煙。ただし店舗左前に喫煙スペースあり
はけた養蜂場
〒386-0032 長野県上田市諏訪形１６３２−４
営業時間：９：００〜１７：００
TEL： 0268−26−1432／080-2346-0685（現場に出ていて出られないことあり。来店の際は１度連絡を！）
アカシア、リンゴ、クリ、ソバ、百花の５種類のハチミツ。
あさつゆ(上田市)、うえだ食彩館(同)、道の駅あおき(青木村)、マルシェ黒耀(長和町)など、近隣の直売所のほか、通販でも購入できる。