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【市民リポート】稲倉の棚田 行ったことある?

2024.04.25

市民リポーター  吉池 由美

【市民リポート】稲倉の棚田 行ったことある?

気になっているのに行ったことのない場所の一つが「稲倉の棚田」。
3月の農閑期に初めて行ってきました。第一印象は「わぁーすごい!」これにつきます。農閑期でこの感動なので、水が張ったら、稲が伸びたら、稲穂が実ったら、と想像するだけで見にきたーいと感じる場所です。

稲倉の棚田保全委員会 委員長(4代目) 久保田良和(くぼた・よしかず)さんにお話を聞いてきました。

(久保田 良和さん)

 

稲倉の棚田は全部で30ヘクタール。そのうちの10ヘクタールは残念ながら荒廃、12ヘクタールは地主さんがお米を作り、8ヘクタール(東京ドーム約2個分)を46人でお借りし、棚田で農作業体験をすることで棚田米が貰える「棚田米オーナー」や、収穫した酒米から造られた日本酒を貰える「酒米オーナー」などの制度もあります。

 

(閑散期の稲倉の棚田)

 

今の稲倉の棚田に繋がる始まりは、平成11年「日本の棚田百選」に選ばれた事です。棚田のある岩清水自治会のみなさんが中心となり、ほぼ今の状態まで整備しました。すごい!
平成15年に、岩清水自治会だけでは手が回らなくなり、豊殿自治会に話を持っていく事で大きな転換期を迎えることになります。豊殿地区は「自分たちの課題は自分たちで何とかする」という考え方の元、活動している地域でした。今では豊殿地区のまちづくり協議会の中の振興部会の一つとして棚田が位置付けられており、活動をしています。
話を戻すと、平成15年に行政、JA、農業委員会、地域が一つになり「稲倉の棚田保全委員会」の発足になりました。
更に平成27年に社会の変化に伴い、棚田をどういった位置づけにしていくのかを検討した結果、「若者・よそ者・ばか者」の外の意見を入れていこうと、積極的に地域おこし協力隊を導入するなどして今の棚田になっています。

大きい転換期に反対とかはなかったのか久保田さんに聞いてみました。
何もなかったわけじゃない。でも変わるとき、周りに抵抗があるときは面白い時。たまたま時代と考え方がマッチングしただけ。今、結果として多くの方々に受け入れられている。

かるーく話をしてくれましたが、紆余曲折あったのは、容易に想像できます。こんなニュートラルな久保田さんだからこそ、保全委員会のみなさんが楽しそうなんだと思いました。(取材日がちょうど定例会が終わった時間で、沢山の方々がいる中に入っていきましたが、とっても活気があってみんなキラキラして楽しそうな雰囲気でした。)みなさんの得意分野を生かして、出来ることは自分たちでやる。パンフレットも全部自作です。そんな保全委員会の姿が、そのまま稲倉の棚田のあり方につながっていると感じることが出来ました。

 

 

 

(稲倉の棚田の風景)

 

 

久保田さんからみなさんに伝えたいこと
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棚田に関心を持ってもらいたい。
棚田に来ることで、癒され心が豊かになる。作業をしてくれる方々も、楽しく生きがいになり健康にもつながる。
保全する意義を知ってほしい。
保全することにより、国土が保全される→自然環境が良くなる→生態系が豊か→観光の目玉→農作業をやりたい人が増える、など保全することの効果が大きい。
この先5年、10年、50年、100年の先をちょっとでも思いめぐらせてほしい。
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久保田さんの話を聞いて、子供たちにどんな地域、どんな自然を残していきたいんだろうかと考えるきっかけを頂きました。

棚田でしか味わえない風、匂い、感触、感情を肌で感じたいと思いました。そんな体験を話すことで興味をもった方々が、行ってみようと思う場所。そんな自然と人とのネットワークのいい循環が生まれている稲倉の棚田は、とっても気持ちの良い所でした。「棚田で『おぉー』と大きい声で叫んだらいいよ」と話してくれた久保田さんに習い、叫んでみよう!きっと気持ちがスッキリしそうだな。

HPには四季折々の素敵な写真がたくさん載っていますので是非ご覧になってください。

2024年 イベント予定
5月11日 どろんこASOBI
5月19日26日 お田植祭り
8月10日 ししおどし祭り などHPにて随時更新

信州上田 稲倉の棚田 (inaguranotanada.com)

 

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