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【市民リポート】令和6年の安寧と無病息災を祈念してどんど焼きが執り行われました -お正月にお迎えした歳神様をお送りして今年一年の無事を祈る-

2024.01.25

市民リポーター  北原 誠

【市民リポート】令和6年の安寧と無病息災を祈念してどんど焼きが執り行われました
-お正月にお迎えした歳神様をお送りして今年一年の無事を祈る-

 

 

キタさんです。はじめに令和6年能登半島地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復興をお祈り申し上げます。

今回は令和6年1月14日(日)に上田市の新田(しんでん)地区で行われた正月行事を締めくくる「どんど焼き」を取材しましたのでお伝えします。

 

「どんど焼き」について
「どんど焼き」とは全国各地で1月15日頃に行われる火祭りのことで正月飾り、しめ縄、古いお札などを焼いて無病息災や家内安全を祈る行事でお焚き上げの火の粉や煙にあたると歳神様(としがみさま)のご利益があるといわれます。

地方ごとに「とんど焼き」「どんと焼き」「左義長(さぎちょう)」「鬼火焚き(おにびたき)」など色々な呼び方があるようです。
古来長野県では主に「道祖神祭(どうそじんまつり)」と呼ばれてきました。

新田地区は10部ある地域ごとに2月初頭に「道祖神」の神事が執り行われておりますが、これとは別に地区全体の祭りとして新たに企画されたものです。

【写真】 歳神様を送る炎

 

縁起物の受け付けと櫓の準備
松の内は元旦から1月7日までとする地方と15日までとする地方があるようですが、いずれもこの期間が終わった小正月(一連の正月行事を締めくくる期間)の行事としてどんど焼きを執り行うことが通例のようです。新田地区では令和6年1月14日(日)午前10時の縁起物受け付け開始と同時に自治会役員による櫓の準備が始まりました。

【写真】 (左)お焚き上げする縁起物の受け付け   (右)櫓の準備作業

 

櫓組みと縁起物の飾りつけ
会場となった学童保育太郎の家前広場は上田市の北方にある太郎山(標高1,164m)の山麓に鎮座します。建御名方刀美命(たけみなかたのみこと)、前八坂刀売命(さきのやさかとめのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)を祀る大星神社(おおぼしじんじゃ)の社殿正面、鳥居の真前に位置し、すぐ南の北小学校に隣接する絶好の立地から「子供たちの火祭り神事」を行うにはぴったりの場所と言えます。

前日までに切り出された孟宗の青竹を一時間ほどかけて組み上げられた櫓には住民の皆さんが持ち寄ったダルマや正月飾り、破魔矢(はまや)、書初めした和紙などの縁起物がうずたかく積み上げられて準備が整いました。

前日の雪模様から一転してうららかな小春日和に恵まれ、松の内に歳神様が依代(よりしろ=神様のよりどころ)とされた松飾りを一杯抱えてへそ天(雲ひとつ無い青空)の群青に向かってスクッと立ち上がった青竹櫓は神々しく見えました。

【写真】準備が整った青竹

 

天にお帰りになる歳神様をお見送り
祭事は午後1時ちょうどに新田自治会の飯島康典(いいじま やすのり)会長の「年明け早々能登の大震災と羽田航空機事故で多くの人が被害にあわれており、手放しで『明けましておめでとう』とは言い難い新年ですが、皆さんと共に一年の健康と無事を祈りたいと思います。」との挨拶から始まりました。
続いて6人の子ども代表が稲わらの束を手に櫓の点火式を行いました。縁起物がうずたかく積み上げられた櫓に火がつくと、集まった皆さんはしばし立ち上る炎と煙に乗って天にお帰りになる歳神様をお見送りしました。

【写真】 (左)子供代表が縁起物に点火   (右)歳神様の昇天を見守る人達

 

火を使う行事とあって会場には上田市消防団の第三分団からポンプ車が出場して万一に備えていました。第三分団長の三井大介(みつい だいすけ)さん(46)によれば、消防団員の皆さんは普段は別の仕事をしていて出場する場合に集合するとのこと。この日は日曜日だったので、消防本部に正式の届を出して展開してくださったそうです。会場の敷地内には消火栓も常設されており消防団が見守る中で安全にも配慮した開催となりました。

【写真】ポンプ車と三井第三分団長

 

繭玉(まゆだま)を炙って無病息災を祈る
櫓の炎も落ち着いたころを見計らって各自が持ち寄った繭玉の付いた柳の枝を霊験灼然(れいげんいやちこ=神様のご利益が著しいさま)な熾火(おきび)の上にかざして炙り一年の息災を祈りつつ焼きたての繭玉を頬張っていました。

【写真】(左)自作の繭玉を霊験灼然な熾火で炙る人達      (右)美味しそうな焼き芋

 

繭玉とは蚕の繭に模した餅や団子のことで、これを木の枝に刺して作る正月飾りのひとつが「繭玉飾り」です。上田市のあたりでは柳の枝を使うのが一般的です。蚕の繭は絹糸(シルク)になることから、養蚕の盛んだった当地では昔から繁栄の象徴とされ、神様の火で炙った繭玉をいただくことで神様からのご利益が得られると言われています。

【写真】お汁粉や豚汁もふるまわれた

 

また熾火で焼き芋を焼く人や繭玉の代わりにマシュマロを焼く人などもいて、皆さん思い思いにどんど焼きを楽しんでいました。この他、新田自治会婦人部からお汁粉や豚汁がふるまわれ会場は大盛況でした。

【情 報】
● 主催者 : 上田市新田自治会
所在地 : 〒386-0011上田市中央北2丁目1-17
電 話 : 0268-23-3328
● 会 場 : 学童保育太郎の家
所在地 : 〒386-0011上田市中央北3丁目1-52

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