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【市民リポート】上田市立美術館 駒形克己「え!ほん」展に行ってきました!

2021.01.15

上田市立美術館 駒形克己「え!ほん」展に行ってきました!

 

上田市立美術館 駒形克己「え!ほん」展
子どもが「また行きたい!」とおねだりする展覧会

 

こんにちは!市民リポーターの野々村です。

上田市立美術館で開催中の展覧会「駒形克己・え!ほん展」がファミリーでも楽しめると伺い、夫・3歳の娘と共に家族3人で行ってきました!

 

 

「ごぶごぶ ごぼごぼ」を知っていますか?

 

 

上田市ではブックスタートに選定されている『ごぶごぶ ごぼごぼ』(福音館書店)。

赤ちゃんの絵本を選ぶ際に手に取る機会の多い一冊なので「知っている!」というパパやママが多いと思います。

 

駒形克己さんは「ごぶごぶ ごぼごぼ」をつくったデザイナー・造本作家です。

 

 

駒形 克己 造本作家・デザイナー

 

日本デザインセンターを経て、1977年渡米。ニューヨークCBS本社などでグラフィックデザイナーとして活躍後、1983年帰国。

自身の子どもの誕生をきっかけに絵本を制作。以後、『ごぶごぶ ごぼごぼ』など多数の絵本を出版。

その活動は世界へと広がり、展示会やワークショップの開催がフランス、イタリア、メキシコ、韓国、スペインなど、現在もなお世界各地を巡回中。

2000年・2010年・2016年イタリア・ボローニャRAGAZZI賞 優秀賞、2006年GOOD DESIGN・ユニバーサルデザイン部門大賞。他、受賞多数。

 

 

 

「え!ほん展」では駒形克己さんの7つの絵本の世界が展示室内に立体的に再現されています。

 

展覧会の案内をしてくれたのは、上田市立美術館 学芸員の岡田さん。

展覧会がカタチとなったきっかけや、展覧会を駒形克己さんと作っていくなかで交わした言葉なども教えてくれました。

 

 

駒形克己「え!ほん展」は、上田市立美術館が初展示!

 

 

駒形克己「え!ほん展」は、会場に向かう道のりからはじまっています。

会場に向かう私たちを迎えてくれるのは『AIR ZOO』。

展示作品の1つである『雨があがって』の絵本にでてくる動物たちが描かれています。

 

「キリンだ!」「ゾウもいる!」「この動物は何?」と娘。

空中の動物園を楽しみながら会場へ進みます。

 

 

 

展覧会までの道のりや会場内の道順を動物たちが教えてくれます。

 

 

 

駒形克己「え!ほん展」は、上田市立美術館が初展示。

ポスターに使用されているメインヴィジュアルも今回のために駒形克己さんが描きおろしてくれました。

 

メインビジュアルの動物、馴染みがある動物だと感じませんか?

上田市周辺に現れる動物を描いてくださっています。

 

 

新型コロナウイルス感染拡大防止対策にも「わくわく」を

 

 

新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてまず、入場前に体温の確認、マスクの着用と手指の消毒、ヘルスチェックシートの記入を行います。

ヘルスチェックシートは自宅にて事前記入も可能です。

持参することで、受付がスムーズになります。(体温は当日のものをご記入ください)

 

そして、小学生以下の子どもには

  • フェイスシールドの無料貸し出し
  • カラー手袋(オレンジ・黄色・黒から1色)のプレゼント

があります。

 

 

 

 

貸し出しのフェイスシールドの動物の耳も駒形克己さんのオリジナルデザイン。

かわいい動物に変身して絵本の世界へ進みましょう。

 

お子さんのかわいい姿を撮りたい! という方もいるかと思います。

本展覧会は撮影が可能です。

 

また、会場内が混雑をしないように入場人数に応じて制限を行う場合があります。

入場制限をなるべく避けたい方は開館直後9時〜9時半までの入場がおすすめだそうですよ。

 

 

さぁ、絵本の世界へ!

展示エリアでは駒形克己さんの7つの絵本の世界を体験することができます。

記事では3つの絵本の世界を紹介します。

 

 

『ぼく、うまれるよ!』展示エリア

 

 

駒形さん自身にお子さんが生まれ、「お母さんのおなかの中で、胎児はどのように感じているのだろう?」と考えたことがきっかけでつくられた作品。

 

「駒形さんは、本や資料などを調べていくうちに、陣痛を引き起こすホルモンは胎児によってつくられ、へその緒を通って母親に送られているということを知ったそうです。お母さん側の目線ではなく「ぼく、うまれるよ!」というお子さんの視点で描かれているのが駒形さんらしく感じます。」と岡田さん。

 

 

 

 

「絵本の世界に入る展示をと、企画を進めていくなかで新型コロナウイルスの流行となってしまいました。当初企画をしていた展示内容と大きく変わったものもあります。

それでもコロナ禍でも体感できる展示をと企画を練り、カタチにすることが出来ました。」

 

 

 

『YELLOW TO RED』展示エリア

 

 

朝、目が覚めるとお母さんの姿が見当たらないひよこ。

お母さんを探していくストーリーになっています。

 

絵本のページの色は朝から夜への時間の変化を表しています。

「実際の絵本では紙の種類もそれぞれ異なっています。紙や色、それぞれにも意味があるということを駒形さんの作品は教えてくれます。」

 

 

 

 

「こちらの展示では床にも注目して欲しいです!」と岡田さん。

足元を見てみると光が黄色から赤への綺麗なグラデーションになっています。

 

「作品に合わせて展示のライティングにもそれぞれこだわっています。今回の展示の照明は、サントミューゼの舞台照明のスタッフも協力してくれました。」

 

 

 

『Little tree』展示エリア

『Little tree』 ワンストローク 2008年

 

 

「『Little tree』は、本展覧会のきっかけにもなったとても大切な1冊なんです。」と岡田さん。

 

本展覧会は、はじめから駒形さんに展示をお願いしようとして企画をはじめたのではなく「絵本の世界に入る展覧会をつくりたい」という上田市立美術館の学芸員の想いがはじまりでした。

どういう絵本をテーマにしようか…と学芸員が考えていくなかで駒形克己さんの『Little tree』が思い浮かんだそうです。

「『Little tree』の木の下で子どもたちが遊べたらどんなに素敵なんだろうと…そうして実現出来たのが今回の展覧会です。」

 

 

 

 

「『Little tree』展示エリアは、実際お子さんたちにとっても喜んでもらえています。滞在時間がとても長いお子さんも多くいらっしゃいます。」と岡田さん。

 

朝から夜へと時間が変化したり、走って通りすぎたり、ゆっくりと歩みを進めていったりする動物たち。

その世界のなかで子どもが笑顔で遊ぶ姿はとても牧歌的で親としてもずっと眺めていたくなる光景です。

 

 

 

実際に絵本を手にとって読める『絵本閲覧コーナー』

 

 

「こちらも滞在時間が長いご家族が多いです。」

と案内をしてもらったのは『絵本閲覧コーナー』。

 

今回の展示で取り上げた絵本を中心に駒形克己さんの絵本を実際に手にとって読むことが出来ます。

実は『ごぶごぶ ごぼごぼ』以外の絵本は今回が初見だった私。

比較的、本屋には足を運んでいるのだけれども…と岡田さんに話したところ、

 

「駒形さんの絵本は確かに一般的な書店などでは見かけることはほとんどないかと思います。

駒形さんの絵本は作りがとても繊細で、一般的な流通では作ることが出来ないものばかりなんです。

それでも作りたい本を作りたくてご自身で出版会社を設立したんです。

本の検品も1冊1冊ご自身の会社でされていて、現在も駒形さん自身も検品に参加されていらっしゃるそうですよ。」

 

実際に手に取るとそれぞれの絵本の繊細さがわかります。

 

 

「今回の展覧会に合わせて、1階のミュージアムショップで駒形さんの絵本を購入することができます。よければ帰りに寄ってくださいね!」

 

寄ります! きっと買って帰ると思います。でも、繊細で娘に触らせられないかも…

 

「そう感じる親御さんはきっと多いかと思います。でも駒形さんはお子さんにも触って欲しいと言っていました。

色や形、紙の手触りを直に感じて欲しいと。その中でもし壊れてしまったら、お子さんと一緒に直して欲しいと。

壊れてしまうから大切に扱おうと学ぶのも大事なことだと。」

 

岡田さんの話を伺い、わが家は帰りに駒形克己さんの絵本を2冊購入しました。

帰宅後、購入した絵本を読みながら「また展覧会に行きたいな!」と言う娘。

会期は2021年1月31日(日)までです。

 

より詳細な記事を「信州おやこさんぽ」でも掲載していますので、よろしければご覧ください!

 

 

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